2024/04/24「多機能ファイラーAs/Rの魅力と活用法」を出版、KView32公開

MS-DOS時代の有名なファイラー「FD」

As/R

MS-DOS時代には、ファイラーがないと非常に不便でした。

IBM-PCでは、「Tree」というディレクトリ(Windowsでいうフォルダ)をツリー表示してくれるツールがありましたが、
残念ながらPC-98シリーズではハードウェアの違いのために動作しませんでした。
1986年にはPC-98シリーズ向けに「エコロジー」という市販ソフトが登場しました。
このソフトもツリー表示ベースのファイラーでした。

後に、A.Idei氏による「FD(エフディ)」が登場しました。
その高速性に驚き、すぐに「エコロジー」から乗り換えました。
さらに、「FD」はフリーソフトとして提供されていたこともあり、多くの人々に利用されました。

FD」は最初、岡山県のUJO-NETで公開され、その後Niftyで公開されました。
Niftyで公開されたことから、PC-98シリーズのユーザーのほとんどが利用していたと思われます。
このソフトは非常に有名であり、その後のファイラー系アプリケーションに大きな影響を与えました。
さらに、「FD」はUNIX(Linux)にも移植され、FDCloneという名前で利用されています。

「FD」の起動画面

以下が、「FD」の起動画面です。

ファンクションキーの文字は、ほとんどがDOSのコマンドになっています。この文字の中の黄色になっている文字がコマンドキーを意味しています。

例えば、’C’キーでコピー(Copy)でき、’R’キーで、ファイル名を変更(Rename)できます。

FD」は、「File & Directory Tool」の略称であり、その開発は1989年にスタートし、
第1回フリーソフトウェア大賞において、ユーティリティ部門賞を受賞しています。

「FD」に興味を持たれた方は、以下のウェブページを参照してみてください。

「FD」のキーアサイン

MS-DOS時代のファイラー「FD」の特徴の一つは、キー操作やキーコマンドのみを使って効率的に操作できる点です。その当時はマウスを使用していなかったため、キーコマンドが主要な操作手段でした。

以下に、「FD」のキーコマンドの説明を表にまとめてみました。
少し触れましたが、基本的にはDOS用のコマンドの一部のキーを使用して、対応するコマンドを実行する仕組みとなっています。
多くの「FD」の流れを汲むファイラーも、この仕組みを採用しています。

表の一番右の列は、「As/R」のデフォルト状態でのキーコマンドの対応状況です。
お分かりいただける通り、ほとんどのキー(コマンド)に対応しています。
一部対応していないキー(コマンド)もありますが、これは他の操作や機能で代替可能なため、
特にキーコマンドとしての必要性は低いものばかりですね。
改めて、その仕様の優れた点も含めて「FD」の偉大さとその影響力を再確認することができます。

キーDOSコマンド機能の説明As/Rでの対応
LLogdskドライブの変更
XeXecプログラムファイルの実行
CCopyファイルのコピー
DDeleteファイルの削除
RRenameファイル及びディレクトリ名の変更
SSortファイルの並び替え
FFindファイルの検索表示(機能制限あり)
TTreeディレクトリのツリー表示
UUnpackアーカイブ解凍,及び Ish 復元
AAttrアトリビュートとタイムスタンプの変更
IInfoディスクのインフォメーション表示
MMoveファイルの移動
Sfift+DrmDirディレクトリの削除
KmKdirディレクトリの作成
HsHellコマンドの実行
WWrite現在の表示ディレクトリの書き込み

○:対応、-:未対応、△:一部対応

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