パソコンを使用していると、OS(Windows)をインストールしているCドライブの容量が不足したり、より大容量のディスクや高速なSSDに交換したくなることがあります。そんなときに役立つのが、ディスク管理ソフトウェア(パーティションソフトウェア)です。中でもMiniTool® Software Ltd. 社が開発したWindows用の MiniTool Partition Wizard は、無料版でも基本的なパーティション管理が可能で、Pro版を利用すればさらに多彩な機能を使うことができます。
本記事では、この MiniTool Partition Wizardm無料版 を使用したディスク管理の方法について解説します。
Windowsでのディスク(パーティション)管理
Windows10/11では、標準でパーティション管理用「ディスクの管理」ツールが用意されています。特別なソフトウェアをインストールすることなく、OSに内蔵されている機能で基本的なディスク操作を行うことができます。
「ディスクの管理」ツールの主な機能
「ディスクの管理」ツールでは、主に以下のパーティション(ボリューム)管理機能を利用できます。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ボリューム(パーティション)の作成 | 未割り当ての領域に新しいパーティションを作成し、ファイルシステム(NTFS、FAT32など)でフォーマットしてドライブとして使えるようにします。 |
| ボリュームの削除 | 既存のパーティションを削除し、領域を「未割り当て」に戻します。この操作でデータはすべて消去されます。 |
| ボリュームの縮小 | 既存のパーティションのサイズを小さくし、空いた領域を「未割り当て」領域として作成します。これにより、別のパーティションを作成したり、既存のパーティションを拡張したりするための領域を確保できます。 |
| ボリュームの拡張 | 既存のパーティションのサイズを大きくします。パーティションの右側に隣接している「未割り当て」領域がある場合にのみ使用できます。 |
| ドライブ文字とパスの変更 | 割り当てられているドライブ文字(例: C:、D:)を変更したり、ドライブ文字の代わりにフォルダーパスとしてマウントしたりできます。 |
| パーティションのフォーマット | 既存のパーティションのファイルシステムを変更したり、データをすべて消去して再フォーマットしたりできます。 |
| ディスクの初期化 | 新しいディスクを初めて使用する際などに、パーティション形式(MBRまたはGPT)を選択して初期化します。 |
| プロパティの表示 | ディスクやパーティションの詳細情報(容量、空き容量、ファイルシステム、状態など)を確認できます。 |
「ディスクの管理」ツールの起動方法
Windows 10や11では、以下のいずれかの方法で「ディスクの管理」ツールを簡単に起動できます。
- スタートボタンからの起動:
- スタートボタン(Windowsアイコン)を右クリックし、表示されたメニューから「ディスクの管理」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」からの起動:
Windowsキー+Rを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。diskmgmt.mscと入力してEnterキーを押します。
「ディスクの管理」ツールを起動画面です。
筆者の使用しているパソコンのドライブ/パーティション情報の一覧が表示されています。

| ドライブ | 説明 |
|---|---|
| C | システム用のドライブです。 |
| D | データ用のドライブ容量が少なくなったので、4Tのドライブを増設しました。 |
| E | 元々の、データ用のドライブです。 |
パーテーション管理ですが、操作を誤るとデータ消失やシステム起動不能に繋がるリスクがあるため、以下の作業を事前に行うようにしてください。
- 重要なデータは必ず別のストレージ(外付けHDD、クラウドなど)にバックアップを行う
- 操作対象を間違えないように細心の注意を払う
- 複数のドライブが接続されている場合(内蔵HDD/SSD、外付けHDD、USBメモリなど)、間違ったドライブやパーティションを選択して「削除」や「フォーマット」を行わないよう、ドライブ文字、容量、ラベルを何度も確認してください。
- 「未割り当て」領域が複数ある場合、どの領域がどのディスクに属しているのかを視覚的に把握してから操作しましょう。
「ディスクの管理」ツールの制限事項
標準の「ディスクの管理」ツールは便利なのですが、サードパーティ製のパーティション管理ソフトウェアと比較していくつかの制限があります。最も重要な制限は以下の点です。
- システムパーティション(Cドライブ):システムパーテーションの移動や大幅な縮小・拡張には制約があります。
- ボリュームの拡張: 拡張したいパーティションのすぐ右隣に「未割り当て」領域がなければ拡張できません。例えば、Cドライブを拡張したい場合、そのすぐ隣に未割り当て領域が必要です。間に別のパーティションがあると拡張はできません。
- パーティションの移動: パーティション自体を移動させる機能は標準では提供されていません。
- パーティションの結合や高度な変換:MBR ⇔ GPT変換等、機能的に制限されています。
MiniTool Partition Wizard無料版
MiniTool Partition Wizard無料版をインストールして使用してみましょう。
インストール
公式サイトからインストール ファイル「pw-free-online.exe」をダウンロードします。
2025年10月3日時点での最新版は、Ver13です。

ダウンロードが完了すると、以下のメッセージが表示されます。

「pw-free-online.exe」の実行
以下、MiniTool Partition Wizard無料版のインストール手順です。
- ダウンロードした「pw-free-online.exe」を実行します。
- 「読んだ上で同意 EULAとプライバシーポリシー」をチェックします。
- 「セットアップに使用する言語の選択」で、使用する言語を選び、「OK」ボタンをクリックします。

無料版をインストールする場合は、「無料版のインストールを続行します。」側をチェックして、「次へ」ボタンをクリックします。

「製品&コンポーネント」の選択ダイアリグが表示されますので、「MiniTool Partition Wizard Free」にチェックを入れて、「次へ」ボタンをクリックします。

インストール先のフォルダを確認、または選択して「次へ」ボタンをクリックします。

「MiniTool Partition Wizard セットアップウィザードの完了」ダイアリグが表示されると、インストールは無事終了です。続いて、「MiniTool Partition Wizard」を起動する場合は、「MiniTool Partition Wizard を実行する」にチェックを入れて、「完了」ボタンをクリックします。

「MiniTool Partition Wizard」の起動時に、Webブラウザーに、「MiniTool Partition Wizard」のアップグレード情報のページが表示されます。「MiniTool Partition Wizard」は、無料版以外に有料のプロ版、プロ・プラチナ版、プロ・アルティメット版があります。それから、企業向けにサーバーに対応した製品もあります。各バージョンの機能につきましては、バージョン別機能一覧のページをご覧ください。

起動画面
「MiniTool Partition Wizard無料版」の起動画面です。ディスクやパーティションの情報が一目で確認できます。ただし、この画面で表示されるドライブの番号は、Windows標準の「ディスクの管理」ツールの表示とは異なる点に注意が必要です。「ディスク 1」から順番に番号が割り振られているため、混同しないようご注意ください。

- 筆者のパソコンのドライブ情報
| ドライブ | 「ディスクの管理」ツール | Partition Wizard | 説明 |
|---|---|---|---|
| C | ディスク2 | ディスク3 | システム用のドライブです。 |
| D | ディスク0 | ディスク1 | データ用のドライブ容量が少なくなったので、4Tのドライブを増設しました。 |
| E | ディスク1 | ディスク2 | 元々の、データ用のドライブです。 |
メニュー一覧
起動画面左側の『パーティション総合管理』セクションに、メニュー一覧が表示されます。このメニューから、MiniTool Partition Wizardの機能を簡単に使用する事ができます。

以下、メニューの簡単な説明です。
| メニューカテゴリ | 機能名 | 説明 |
|---|---|---|
| ウィザード | OSをSSD/HDDに移行 | 現在使用しているWindowsなどのOS全体を、新しいSSDやHDDに簡単に移行できます。OSの再インストールや設定の手間を省きたい場合に便利です。 |
| ディスクコピー | ハードディスク(HDD/SSD)の内容全体を、別のディスクに完全に複製(クローン)します。バックアップや、古いディスクから新しいディスクへの交換などに使われます。 | |
| パーティションコピー | ディスク内の特定のパーティションのみを、別のパーティションや未割り当て領域に複製します。データパーティションのバックアップや移動に便利です。 | |
| パーティション変更 | パーティション移動/サイズ変更 | パーティションの容量を増やしたり減らしたり、ディスク上の位置を変更したりします。データ損失なしでパーティション構成を調整できます。 |
| パーティション結合 | 隣接する2つのパーティションを結合して1つの大きなパーティションにします。 | |
| パーティション分割 | 1つのパーティションを2つの小さなパーティションに分割します。 | |
| クラスタサイズ変更 | パーティションのクラスタ(アロケーションユニット)サイズを変更します。特に大きなファイルや小さなファイルが多い場合に、ディスクの効率を向上させるのに役立ちます。 | |
| NTFSをFATに変換 | ファイルシステムをNTFSからFAT32(またはその逆)に変換します。古いデバイスとの互換性が必要な場合などに使用されます。 | |
| パーティション操作 | パーティション削除 | 選択したパーティションを削除し、その領域を未割り当て領域に戻します。パーティション内のデータは消去されます。 |
| パーティションフォーマット | 選択したパーティションのファイルシステムを初期化(フォーマット)します。データは消去され、新しいファイルシステムが適用されます。 | |
| パーティションアライメント | SSDや高度なフォーマットのHDDで、パーティションの開始位置を物理セクタに合わせて最適化します。これにより、読み書きのパフォーマンスが向上します。 | |
| パーティション抹消 | パーティション内のデータを完全に消去し、復元できないようにします。データを安全に破棄したい場合に利用します。 | |
| ラベル設定 | パーティションに任意の名前(ラベル)を設定または変更します。 | |
| ドライブ文字の変更 | パーティションに割り当てられているドライブ文字(例:Dドライブ、Eドライブなど)を変更します。 | |
| パーティションTypeIDの変更 | パーティションのタイプ識別子を変更します。特殊なOS環境などで使用されます。 | |
| シリアル番号の変更 | パーティションのボリュームシリアル番号を変更します。 | |
| パーティション非表示 | 選択したパーティションをOSから見えないように非表示にします。 | |
| パーティションチェック | ファイルシステムチェック | パーティションのファイルシステムの整合性を検査し、エラーが検出された場合は修復を試みます。 |
| パーティション一覧 | 選択したパーティション内のファイルとフォルダのツリー構造を表示します。 | |
| サーフェスチェック | ディスク(またはパーティション)の物理的なセクタをスキャンし、不良セクタ(読み取りエラー)がないか検査します。ディスクの健康状態を確認できます。 | |
| パーティションプロパティ | 選択したパーティションの詳細な情報(ファイルシステム、容量、シリアル番号など)を表示します。 | |
| データ復元 | 削除されたファイルや失われたパーティションからデータを復元するための機能です。(この機能は無料版では機能が制限されている、または一部の機能のみ提供されている場合があります。) |
動作環境
MiniTool Partition Wizard バージョン別機能一覧のページから抜粋した、「MiniTool Partition Wizard」の動作環境に関する情報です。各バージョンの機能一覧表も掲載されていますので、あわせてご確認ください。無料版も、Windows7/8/10/11で動作します。

価格とサポート
MiniTool Partition Wizard バージョン別機能一覧のページから抜粋した、「MiniTool Partition Wizard」の価格に関する情報です。無料版でも、Eメールによる技術サポートを受けられます。

ディスク/パーティションの状態のチェック機能
MiniTool Partition Wizard無料版は、以下のディスク/パーティションの状態のチェック機能を持っています。
- ベンチマーク
- サーフェステスト
- プロパティ一覧
- 使用状況分析
ベンチマーク
ディスクのデータ読み込みと書き込み速度を、さまざまなディスクアクセス(例えば、シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスなど)方式で測定し、その結果を図示することができます。
以下は、筆者のパソコンのCドライブのベンチマーク結果です。CドライブはNVMe(Non-Volatile Memory Express)SSDです。以下の結果から32KBの読み書き速度において、Dドライブよりも高速であることが判ります。

同じく、Dドライブのベンチマーク結果です。Dドライブは、SATA接続のSSDです。

サーフェステスト
サーフェステスト(不良セクタの検査)により、ディスク/パーティション上にエラーブロックがあるかどうかチェックできます。テスト対象として、パーティションかディスク全体かのどちらかを選択します。
パーティションのサーフェステスト
テスト手順
- 右側のリストから目的のパーティションを選択します。
- 選択したパーティションを右クリックし、ポップアップメニューから「サーフェステスト」をクリックするか、左側のアクションパネル(操作パネル)から「サーフェステスト」を選択します。
- 新しい画面が表示されたら「今すぐ開始」をクリックすると、テストが始まります。
- テスト完了を待ちます。エラーがないセクタは緑色に、不良セクタ(読み取りエラーがあるセクタ)は赤色にマークされて結果が表示されます。

以下は、テストの実行中の表示です。

テストがエラー無く終了したら、以下のダイアログが表示されます。

ディスク全体のサーフェステスト
テスト手順
- 右側のリストから目的のディスク全体(例えば、「ディスク 1」など)を選択します。
- 選択したディスクを右クリックし、ドロップダウンメニューから「サーフェステスト」をクリックするか、左側のアクションパネル(操作パネル)から「サーフェステスト」を選択します。
- 新しい画面が表示されたら「今すぐ開始」をクリックすると、テストが始まります。
- テスト完了を待ちます。結果は同様に緑色(エラーなし)と赤色(不良セクタあり)で表示されます。

プロパティ一覧
ディスクやパーティションのプロパティ一覧(詳細情報)を確認することができます。
パーティションのプロパティを確認する
手順
- 選択したパーティションを右クリックし、ポップアップメニューから「プロパティ」をクリックするか、左側のアクションパネルから「プロパティ」を選択します。
- 「パーティションプロパティ」ウィンドウが開き、以下の詳細情報が表示されます。
- ファイルシステム情報(シリアル番号、セクタ数、クラスタ数など)
- パーティション情報(Type ID、ID、アクティブ状態など)
- 容量(使用済み、未使用、合計サイズを円グラフと数値で表示)

- 使用状況の表示

- バージョン情報の表示

- ファイルシステム情報の表示

ディスクのプロパティを確認する
手順
- 選択したディスクを右クリックし、ポップアップメニューから「プロパティ」をクリックするか、左側のアクションパネルから「ディスクのプロパティ」を選択します。
- 「ディスクプロパティ」ウィンドウが開き、デバイス名等のディスクの物理情報が表示されます。

- ディスクプロパティの表示

使用状況分析
各ドライブの使用状況を確認できます。
ディスク/パーティションの未使用領域が少なくなり、ディスク/パーティションの領域を解放するとき、大量のファイルのうちどのファイルがディスク領域を多く占めているかを高速に確認することができます。

ディスク/パーティション操作
MiniTool Partition Wizard無料版は、以下のディスク/パーティションのディスク/パーティション操作の機能を持っています。
- 規作成/削除/フォーマット
- ディスクの未割り当て領域に新しいパーティションを作成したり、既存のパーティションを削除して領域を空けたり、パーティションのファイルシステムを初期化(フォーマット)したりします。
- 移動/サイズ変更
- パーティションの容量を増減したり、ディスク上の位置を移動させたりします。データ損失なしでパーティション構成を柔軟に調整できます。
- ディスク/パーティション抹消
- ディスク全体または特定のパーティション内のデータを、完全に上書きして消去し、データ復元ソフトを使っても読み取れないようにします。PCやドライブを処分する際に安全性を高める機能です。
- パーティション結合/分割
- 結合は隣接する2つのパーティションを1つに統合する機能、分割は1つのパーティションを2つに分ける機能です。
- FATからNTFSに変換
- ファイルシステムをFAT32からNTFSに、またはNTFSからFAT32に変換します。これにより、ファイルサイズの制限などを解消したり、互換性を確保したりできます。
- ディスク/パーティション コピー
- ディスク全体または特定のパーティションの内容を、別のドライブや未割り当て領域に完全に複製(クローン)します。OSの移行やデータのバックアップに使われます。
パーティションのサイズ変更の実行
実際に、パーティションサイズを変更してみましょう。Eドライブのサイズを500GBに変更します
- 変更するパーティションを選択して、メニューの「パーティションの移動/サイズ変更」をクリックします。

2. 「パーティションサイズ」の箇所に変更したいサイズを入力します。

3. 「パーティションサイズ」の箇所に、変更後のサイズ 500を入力し、「OK」ボタンをクリックします。

4. タスクとして操作が保留されていますので、「操作」ボタンをクリックします。

5. 操作の確認ダイアログが表示されますので、「はい」ボタンをクリックして実行します。

6. 進捗状況がダイアログで表示されます。

7. 処理が成功すると、以下のダイアログが表示されます。

8. Eドライブが、500GBに変更されています。

パーティションのサイズ変更も、MiniTool Partition Wizard無料版を使用すると簡単に実行できます。
実際に使ってみた感想
MiniTool Partition Wizard無料版は、パーティション管理に関する機能は殆ど無料で使⽤可です。直感的操作で分かりやすく、初めて使用する場合も特に困ることはなく使えるのではないかと感じました。ただ、当然と言えば当然なのですが、操作内容によっては処理にかなり時間のかかるケースがありました。ディスク容量が不足してきて、ディスク容量を増やしたいときには役に立つツールだと感じました。それから、実際に試してはいないのですが、「ディスク/パーティション抹消」も持っていて、パソコンを廃棄する時には、役に立つのではないでしょうか。
パーティションマネージャーとして、いざというときの為にインストールしておいて損はないツールだと感じました。
なお、OSがインストールされているドライブ/パーティションのSSDやHDDへの移行、またはディスクコピー機能は、残念ながら無料版では利用できません。有料版の機能となります。

