各ライセンスについの備忘録です。
とほほのライセンス入門に、ライセンスをまとめた表がありました。
形態 | ライセンス | 利用者への コード公開 | 利用物の コード公開 | 改造物の コード公開 | ライセンス 明記 | 改造・複製・再配布・商用利用 |
---|---|---|---|---|---|---|
非コピーレフト | MIT | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 | 可能 |
BSD | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 | 可能 | |
Apache | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 | 可能 | |
準コピーレフト | MPL | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 | 可能 |
LGPL | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 | 可能 | |
コピーレフト | GPL | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 | 可能 |
AGPL | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 可能 |
Apache License 2.0
Apache License 2.0(アパッチライセンス2.0)は、オープンソースソフトウェア向けに広く利用されているライセンスの一つです。2004年にApacheソフトウェア財団(ASF)によって策定され、ソフトウェアの利用、複製、頒布に関する条件などを定めています。
主な特徴
主な特徴は以下の通りです。
- 自由度が高い
- ソフトウェアを自由に利用、複製、改変、再頒布することができます。商用利用も可能です。
- 継承性
- 改変したソフトウェア(派生物)もApache License 2.0に従う必要があります。
- 特許許諾
- 寄稿者(コントリビュータ)は、特許権侵害訴訟から保護されます。
- 明示的な保証の否認
- ソフトウェアは「現状のまま」提供され、いかなる保証もありません。
- 責任の制限
- 寄稿者は、ソフトウェア使用による損害に対して一切責任を負いません。
再配布時に必要な事項
Apache License 2.0 でライセンスされたソフトウェアを再配布する場合は、以下の 4 項目を必ず満たす必要があります。
- ライセンスのコピーの提供
再配布するソフトウェアに、Apache License 2.0 の完全なコピーを含める必要があります。これは、通常、ソースコードファイル内にコメントとして挿入するか、別途のファイルとして提供する方法があります。
- 修正点の明示
ソフトウェアを改変した場合は、改変箇所を明示する必要があります。具体的には、ソースコードの場合はコメントで変更箇所を囲み、変更日時などを記録することが一般的です。
- 著作権表示
ソフトウェア全ての複製に、著作権表示とライセンス表示を必ず含める必要があります。著作権表示には、著作権者の名前、ライセンスの種類、ライセンスのバージョンなどを含める必要があります。
- 免責事項
ソフトウェアは「現状のまま」提供され、いかなる保証もありません。このことを明示する必要があります。具体的には、再配布するソフトウェアに免責事項に関する文書を含めることが一般的です。
上記に加えて、以下の点にも注意する必要があります。
- 商標の使用については、Apache License 2.0 の第 6 項に従う必要があります。
- 特許権侵害訴訟のリスクは、使用者自身が負うことになります。
具体的な手順
再配布時の具体的な手順は以下の通りです。
- LICENSEファイルを含める
プロジェクトのルートディレクトリにLICENSEファイルを配置し、Apache License 2.0の全文を含めます。
- NOTICEファイルを含める
オリジナルのプロジェクトにNOTICEファイルがある場合、それをそのまま含めます。もし変更や追加がある場合、それらを適切に記載します。
- 著作権表示の維持
ソースコードの各ファイルに元の著作権表示を保持します。通常、これはファイルの冒頭に記載されています。
- 変更点の記載
変更を加えたファイルに、その変更内容と日付、変更者の情報を記載します。
- 配布物の確認
再配布物全体がApache License 2.0の要件を満たしていることを確認します。
以下のような説明文を必要に応じて追加します。(Apache License 2.0とは?商用できる?利用条件をやさしく解説 | Beginner’s Design Noteより)
This software includes the work that is distributed in the Apache License 2.0.
このソフトウェアは、 Apache 2.0ライセンスで配布されている製作物が含まれています。
▲”ソフトウェア(software)”の部分は、フォント、アイコンなど適宜変更してください。
Open Font License.
SILオープンフォントライセンス(OFL)は、国際SILが開発や支援を行っているUnicodeフォントに適用されるオープンソースライセンスです。
このライセンスは、フォントの自由な使用と再配布を促進することを目的としており、商用・非商用を問わず、自由に利用することができます。
使用する際には、フォントファイルに同梱されているライセンス文を含めることが推奨されています。
このライセンスは、フォントの自由な利用を保証するための枠組みとして広く採用されています。
OFL の主な特徴
- フォントの自由な利用、研究、改変、再頒布を許可しています。ただし、フォント自体を販売することはできません。
- フォントをソフトウェアに埋め込むことも可能です。
- フォントを再配布する場合は、ライセンスの情報と著作権者の情報を含める必要があります。
- フォントに予約済みの名称がある場合は、派生的著作物で使用することはできません。予約済みの名称は、配布時に同梱されている著作権表記を確認する必要があります。